Profile: 助教授(齋藤久師/さいとう ひさし)
91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材など全てを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。MOVE(avex)のサポートとしてのライブへの参加や、雑誌などでのレビュー執筆など多方面で活躍している。



最近、急に気温がぐっと下がり風邪をひいている人も多いと思います。帰宅したら必ず石鹸で手を洗いイソジンうがい薬でうがいを心掛けましょう! なんちゃって。

私は現在、師匠(松武秀樹氏)と共に全国シンセサイザー布教の旅で北海道の札幌にて執筆しております。10月の終わりから広島、福岡、札幌、仙台とまわってきたわけですが、今回は特に各地で美味しい食べ物をたくさんいただくことができ、とても楽しい思いでが沢山できました。この号がアップされる頃には最終地の仙台が終わっている頃だと思います。今回セミナーをお見逃しになった方は来年是非参加してみてくださいね!

SH-32
それでは早速今回のお題に入りたいと思います。前回、前々回とSH-32の基本概念と操作方法などをお届けいたしましたが、今回はもう少し突っ込んで「音作り応用編」をお贈りいたします。具体的にはモジュレーションやLFO等を用いた、SE的に使える音を中心に作っていきましょう!


[Sound01]
 

先ずは[Sound01]を聴いてみましょう。なにやら宇宙人でも出て来そうなSFチックな音ですね。こういったランダムに音程を変化させてゆく機能を、よく「S&H(サンプルアンドホールド)」や「ランダム」と言います。SH-32では容易にこのような効果音を作ることができます。


最初に図1のようにスライダー、ツマミ、ボタンを設定してください。オシレーターは音像を分かりやすくするために1基のみを使用しますが、スペーシーな雰囲気を出すために「SPECTRUM」の中から「VARIATION」で「16」を選びましょう。
 
   
  フィルター極性は少しクセを出すために「PKG(ピーキング)」を選択し、「CUTOFF」を時計の1時、(以後ツマミは全て時計読みをします)「RESONANCE」は10時の位置に設定(図2)。この状態で音を出しても、ただ「ピー」と鳴るだけです。  
       
  さて、ここでこの音色のカナメとなる「LFO」を使用したモジュレーションをオシレーターにかけてみましょう。まずは「DESTINATION」ボタンでモジュレート先を指定します。ここではピッチを変調したいので「OSC1」にします。次にモジュレーションの波形を「FORM」ボタンで決定します。「S&H」は不定期なパルス絵柄を指定します(図3)。  
     
  そして最後に音を出しながら「RATE」ツマミを12時くらいの位置からだんだんと右に回してゆきます(図4)。仕上げは必要に応じて「REV/DELAY」セクションなどで残響をつけたり、「LFO2」でパンニングさせたりすれば、より一層雰囲気が出るでしょう。  




[Sound02]

次に、「OSC」セクションに装備されている「RING」モジュレーターを使った金属的なSEを制作してみましょう。それでは早速[Sound2]を聴いてみてください。

断続して鳴っている金属音を自然音で例えるのは難しいですが、イメージを抽象的に表現するとすれば、タイムマシーンが高速で時空をワープするような感じとも言えます(図5)。金属音の元になる波形は、あえてOSC1、2共に粒の粗い鋸波を使用します。金属的な倍音を発生させるには「RING」ボタンをONにしOSC1と2のピッチを継続的に変化させるのが最も容易です。
     
  より劇的な変化を出すために「OSC1」の「OCTAVE」を-1にし、レンジの幅を大きくとります。そして「PITCH ENV(ピッチエンベロープ)」により、「OSC2」の音程を自動的に上げ下げするように図6のように設定します。

また、金属倍音を発生させている「OSC1」の音だけが聴こえるように「BALANCE」を一番上の位置にします。この時点で既に金属的でノイジーな音が鳴りました。
 


フィルターは図6を参考にしていただいても良いですが、それぞれお好みの設定で結構です。また、アンプエンベロープは図5のようにアタックを削ることで、現実には有り得ない効果を出すのに一役かっています。更に過激さを増すために、「LFO」にて「OSC1」をモジュレートしてあげると、「OSC1、2」の間で予測不能なピッチのぶつかり合いをするので、非常に激しい効果を得ることができます。最後の仕上げではインサーションエフェクトでフランジャーなどをかけてあげると、より冷たい質感が出ます。この音も例によって「RATE」ツマミを動かしながら演奏してみましょう。



   
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