さて、アナログシンセサイザーの音作りはOSC→FILTER→AMP EGという先程の説明で述べた3セクションの流れが基本になっています。それでは、更に個性的な音色作りをするために、LFO(ローフリケンシー・オシレーター)を使用して、一歩踏み入れた音色加工に挑戦してみましょう!

デジタル以前のシンセサイザーは各モジュール間の接続をシールドを使ってパッチングしていましたが、SH-32ではパッチコードを使用せず、自由な内部パッチを瞬時にできるような便利な機能が搭載されています(これでシールドがそうめんのようにこんがらかる心配もありません)。SH-32のLFOはOSCにかけて音程を揺らすビブラート、フィルターにかけるワウワウ、アンプにかけるトレモロ効果以外に、ステレオ空間を移動させることのできる自動パンニングという面白い効果が得られるようになっています。ここではLFOの最もポピュラーな使用方法である「ワウワウ効果」を出してみましょう。

2基あるLFOのうち、今回はLFO1を使用します。先ずは「DESTINATION」ボタンを押し、「FILTER」のLEDが光るようにします。次にDEPTHをまん中より左へ回して行きます。これにより、モジュレートする深さを調節します。波形はなめらかなサイン波を「FORM」ボタンを使って選んでください(図6)。サイン波によりフィルターが定期的に開閉するのがわかります。

開閉のスピードを調節するには図7の「RATE」ツマミを使用します。[Sound6]のようなワウ効果が得られ、よりシンセサイザーらしくなりました。「FORM」ボタンでサイン波以外の波形を選んでみても、また違った面白い効果が出ますのでいろいろ試してみてください。また、2基目のLFOを使用することにより、一層複雑な効果を得ることができます。
 
[Sound06]


ここからはSH-32独自の機能であるエフェクト部分を使用し、よりエフェクティブな音色加工を施してみましょう。

本機には35種類ものインサーションエフェクトと10種類のリバーブ、ディレイなどの空間系の高品位エフェクターが内蔵されており、それぞれユーザーが自由な設定をメモリーすることができます。

まず、数あるインサーションの中からフェイザーを使用し、音にうねりを出してみましょう。

図8の「INS-FX」ボタンを押し点灯させます。図9の「TYPE」を選び「VALUE」ボタンで「PHr」(フェイザー)を選択。演奏してみるとすでにフェイザーがかかった状態になります。うねりのスピードを調整するには図8の「INTENSITY」で行います。INTENSITYツマミはそれぞれのエフェクトにより、適切なパラメーターを操作できるように自動的にアサインされます。もっと細かいパラメーターを変更させたい場合は図9の「COLOR」「RATE」「LEVEL」などでセレクトした後に「VALUE」ボタンで変更することができます[Sound7]。

 
[Sound07]



最後に残響感をつけるために、「ホールリバーブ」をかけてみましょう。

「AMP」セクションの「REV/DELAY」ボタンを押し、点灯させます。先程フェイザーを選んだ図9の2つある「TYPE」のうち、下の方をセレクトし「VALUE」ボタンで「r.HA」(ホールリバーブ)を選んでください。[Sound8]のようなリバーブ感が得られます。このパラメーターもインサーションエフェクトと同じように図9の「E.LEVEL」「TIME」「FBK」他で変更することが可能ですので、任意の値を設定してみましょう。

[Sound08]


これでパッチモードによるひとつの音色が完成しました。

電源を切っても音色が残るように、今作った音を128種類の音色を記憶することのできる「ユーザーバンク」にセーブしてみましょう。

保存作業はいたって簡単です。先ず図10の「WRITE」ボタンを押し点灯させると、下に表示されている音色パッチナンバーのインジケーターが点滅します。任意の保存先を選んで「WRITE」ボタンをもう一度押すとインジケーターに「Sur」と確認のメッセージが出ますので、再度「WRITE」ボタンを押すことで保存が完了します。
 



実際の音色作りはいかがでしたか? 今回のレクチャーを元に波形やフィルターの特性、またエンベロープの設定など、読者の方々の自由な発想と組み合わせでオリジナリティーのあるサウンドをたくさんクリエイトしてみてください!



   
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