Profile: 助教授(齋藤久師/さいとう ひさし)
91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材など全てを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。MOVE(avex)のサポートとしてのライブへの参加や、雑誌などでのレビュー執筆など多方面で活躍している。



皆様こんにちは。先日、松武秀樹師匠とともに石川県のとある日本酒の製造メーカーの蔵を拝見してまいりました。お米を元にお酒になるまでの行程がアナログシンセサイザーでの音作りにとても似ていることに非常に親近感を憶え、また杜氏の方々の繊細な酒作りの技に触れとても良い刺激になる旅でした。

SH-32
さて第3回を迎えるこのコーナーですが、いよいよ実際の音作りに挑戦してみましょう! 今回、2基のオシレータを使用し最終的に音色を保存するまでの流れを実践してみたいと思います。


まず、プリセットの「d.88」を選びましょう。「d.88」を選んだ理由は最もシンプルな鋸歯の音だったからで、今回作ろうとしている音に一番適していたからです。手順は「BANK」ボタンを押し点滅しているボタンの左から4番目の「4/D」を押した後、更に点滅している「8/R」を2回押すと「d.88」をチョイスできます。フェーダー類はできるだけノーマルの鋸波を出すために図1のようにセッティングすると[Sound1]のような音になります。
[Sound01]


現時点でOSC1に鋸波のみというシンプルな音ですので、少し厚みを付けるためにOSC2ボタンを押し、もうひとつ鋸波を付け足してみます。音を出してみると少し音圧が出たのがわかります(図2)。


これだけだと音圧が増しただけですので、音に揺らぎを加えて暖かさを出すためにディチューンをかけてみましょう。現在、OSC2ボタンが点滅していることを確認し(点滅している方にエディット操作が反映されます)2つある「PITCH」スライダーの右側の方「FINE」を図3のように少しまん中から下へ下げてOSC1とのチューニングを少しずらしてみます。すると[Sound2]のような少しコーラス感の出た音になります。
[Sound02]


オシレータのセッティングが済んだらフィルターにて音質の加工をしてみましょう。現在フィルターのタイプは「LPF」(ローパスフィルター)が選ばれています。ローパスフィルターの特性は、フィルタリングしてもロー(低域)部分は何の影響も受けないということです。つまりハイ(高域)部分を加工できるフィルターということです。

音を鳴らしながら「CUT OFF」ツマミを右一杯からじょじょに左へ回していくと[Sound3]のようにだんだんこもった音色になって行き、回しきる最後にはほとんど音が聴こえない状態になります。
 

[Sound03]

ではこの「CUT OFF」を時計で言う2時の位置にしましょう。次に「RESONANCE」ツマミを1時位の位置に。「RESONANCE」は上げて行くと、よりシンセサイザーらしいクセのある音色に変化しますが、上げ過ぎるとフィルター自体が発振します。

ここで設定したフィルターを時間的に自動開閉させるためにフィルター・エンベロープ・ジェネレーター(A,D,S,R)を図4のようにセッティングし、「ENV DEPTH」をまん中より少し上の位置へ。すると[Sound4]のように弾く度にフィルターの開閉を自動的に行います。また、「BPF」(バンドパス)「HPF」(ハイパス)「PKF」(ピーキング)など、それぞれ特性の違ったフィルターを聴きくらべてみましょう。
[Sound04]


次にアンプ・セクションで音量の時間的変化をつけてみます。基本的にはフィルター・セクションで使用したエンベロープと同じ効果を音量の時間的変化に使用します。図5のように「R」(リリース)をまん中くらいまで上げてみます。すると演奏中に鍵盤を離してもしばらく余韻が残ります[Sound5]。その他の「A」(アタック)「D」(ディケイ)「S」(サスティーン)スライダーを動かし、それぞれの変化を聴きくらべ、役割を理解しましょう。
[Sound05]




   
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