Profile:横山英規(よこやま ひでのり)
ビブラストーンズ、PUGS、ショコラータを経てザ・スリル、デミ・セミ・クエーバーではリーダーを務める。山と積み上げられたエフェクターから生み出される特徴的なノイズ・ベースはデミ・セミ・クエーバーのサウンド・プロダクションの核となっている。自身のバンド活動のみならずUA、チャラのライブ・メンバーとしても活躍中。
今回は、MC Clubインタビューとしては初めてのベーシスト、横山英規さんの登場です! ザ・スリル、デミ・セミ・クエーバーといったご自身のバンドの他、UA(ウーア)、チャラといった個性あるアーティストのライブやレコーディングでV-Bassをはじめとするローランド/ボス製品を積極的にお使いになる横山さん。ベーシストといえどもエフェクターや音作りにこだわりをみせる横山さんのベース道を探ります。
 
ベースを始めたのはいつ頃ですか?
横山
(以下Y)
中学に入った頃からですかね。ロックが好きで楽器はなんでも良かったんですよ。バンドを演りたいってメンバーが集まった時、ベースの場合によくありがちなパターンで、やり手がいなかったんです(笑)。ロックの場合はやっぱりギターが目立ちますからね。
 
 
ベースが演りたいというよりは、バンドを演るからベースを始めたという感じなんですね。それ以降、ベースって面白い! と思ったきっかけになるような事はあったんですか? 例えば好きなミュージシャンができたとか。
Y
最初はストーンズとかが好きで聴いていたんですけど、その時もベースには耳がいかなくて、歌とかギターを聴いていましたね。最初にベースでかっこいいなと思ったのはロニー・レインがまだ演ってた頃のフェイセズかな。結構メロディックな主張のあるベースを弾いていたので、自然に耳がいったというか、カッコイイなと思いました。あとはブーツィー・コリンズ、4弦のベースにピックアップを独立でつけて、1弦づつ別のエフェクターをつけるんですよ。そういう変わったサウンドにも興味を持ちましたね。
     
 
ベースを始めた最初の頃はどんな練習をされていたんですか?
Y
音楽的な予備知識は全くなく、チューニングも何もわからない状態からだったので(笑)、安いベースを買ってまず最初に巻き過ぎて弦を切りましたね(笑)。練習はあまり好きじゃなかったんですけど、レコードを聴いてひたすらコピーですよ。どちらかというと練習して上手くなりたいというよりも音楽をやってライブに出て楽しみたいという気持ちのほうが強かったのかも知れません。
   
 
今は簡単に楽譜が手に入りますけど、当時は少なかったですから耳コピーするのが基本でしたよね。
Y
そうですね。あと、チューニング・メーターも凄く大きいのしかなくて、中学生じゃお小遣いも少なくて買えませんでしたから、音叉でやらなきゃいけないし、当時のプロとアマチュアの違いはチューニングがしっかりしているかどうかだったんですよ。そういう分かりやすいラインは、今はチューナーも簡単で手ごろなのがいっぱいあるからなくなっていますよね。
   
 
横山さんは現在さまざまなエフェクターを使われていますが、エフェクターを採用されたのは早かったんですか?
Y
早かったですね。高校ぐらいから普通はダメって言われてたようなエフェクターをかたっぱしから試してたから……、変わってたんでしょうね。もう感覚であれこれ使ってみたという感じです。「コレ使ってる奴はいないだろう」って(笑)。機材オタクというわけではないんですけど。
     
 
最初に買ったエフェクターって、コンプとかリミッターですか?
Y
多分そういうのじゃなくて、フランジャーとか「飛びもの」を買っていたと思うんですよ。それでなきゃ出ない音というか、効果が判りやすいものだったと思います。高校時代にアマチュア・バンドをやっていた最後の頃は、ベースなのにテープ・エコーとか使っていましたもん(笑)。でも音がめちゃくちゃ痩せちゃって、ベースの芯になるような音がなくなっちゃって…。そんな事ばっかりやって本当にベースが好きなのか? って感じですよね(笑)。
     
   
     
 
▲V-Bass
ベースだとエフェクターを使わないかたも多いと思うんですが、エフェクターが好きで使っているという感じですね。だからV-Bassも抵抗なく使えたんでしょうか。
Y
そうですね。これ、いろんな事がひとつでできちゃうから、でき過ぎちゃって何をやってイイか分からなくなるって部分もあると思うんですよね。
   
実際なかなか伝わりにくい部分もあるかと思うので、実際にバンドの中でどう使っていらっしゃるかを教えていただけますか。
Y
僕がベーシックに使っているのはアンプ・シミュレーターの部分ですね。それにV-Bassだといろんなベース本体もシミュレーションできちゃうから、ベースを何本もダーッと本数並べなくたってレコーディングとかライブができますしね。
 
     
 
気に入っているプリ・アンプの音はありますか?
Y
大体レコーディングでアンプを使う場合はアンペグのオールドのB-15をレンタルで使っているんですけど、アンプを調達できない時があってV-Bassを使ったんですね。そしたらエンジニアの人にも評判が良かったんですよ。いつもアンプの音をマイクで録るのとラインで直接録るのと両方をミックスする事が多いので、ダイレクトとV-Bassのアンプ・シミュレーターを通すのを両方送ったら全然問題ないねって言われました。最近レコーディングでもそこのオールドのB-15を借りなくなっちゃったんですよね(笑)。
   
 
本物とV-Bassを使い比べて違和感はなかったということですね。
Y
本物のアンプがあってスピーカーがあって、その前に立って弾いたらその音がダイレクトに聴こえますけど、V-Bassの場合はヘッドホンだったり、卓の前までいってスピーカーで出る音しか聴こえませんから、本当に一緒の条件で聴く事はできないですけどね…。ただ、ステレオのスピーカーにのっかった音を聴く限りでは違和感は全然感じないですね。僕個人的には納得していますね。
     
   
普段はV-Bassの中のどの音色をよく使っていますか?
Y
歪ませるものとか……、曲の中でガンと踏んで盛り上げるような感じで、部分部分で歪ませる音を使います。あとフレットレスが良かったですね。フレットレスのベースを使って、さらにV-Bassの中でもFretlessのCOSMベースタイプに設定して、よりフレットレスな音にするんです(笑)。もう、いかにも! っていう感じの音になるんですよ。僕が出したかった音が出てくれたという感じですね。
     
 
▲DB-900
チャラさんのステージではベースアンプはDB-900を使われていましたね。
Y
そうですね。最初DBが出た時、一度弾きに来ませんか? って誘われて試した時に感じが良かったので、なにかの機会に使いたいなとは思っていたんですよ。で、チャラのツアーの時は基本的にアンペグのでかいオールドのアンプを使ってるんですけど、今回はアンサンブル的にそのアンプの特性が活かせるほどの音圧が上げられない…、そこまでアンプの音を出しきれないんだったら逆にアンプである程度音量を上げられる方が良いかな、と自分なりに考えて。で、それにはDB-900がちょうど良かった。で、リハーサルの間に試して「全然これで大丈夫じゃん」と思ったので、ツアーではそっちをメインに使ったんですよね。
     
   
扱いやすさとか、音作りのしやすさという点ではどうでしょうか?
Y
別に余計な物がいっぱい付いてるわけじゃないし、シンプルなのがいいですよね。で、そんなに音量を上げてなくても、音圧っていうか背中を押される感じっていうのを、うるさくならずに感じられたので演りやすかったですよ。
     


 

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