独創的でスタイリッシュな映像を意のままに操り、ジャパニーズVJシーンの頂点に君臨するVJ MASARU。見る人の心を魅了する彼のVJプレイは、クラブ・イベントのVJプレイだけに留まらず、アーティストのLIVEステージを鮮やかに演出する空間プロデューサーとしてもその手腕を発揮。従来のVJという概念を打ち破る活躍を見せる。また、常識や枠に捕われない発想力を武器に、CGクリエイターとしてユニバーサル・スタジオ・ジャパンをはじめTVのオープニング・ムービーやCM、PVなど多くの映像制作を手掛け、映像の新次元を開拓。近年では企業のアート・ディレクション及びスーパーバイザー、映像関連の専門学校ではモーション・グラフィックスの講師として若手クリエイターの育成にも意欲的に取り組み、映像作家という枠を越え幅広いジャンルでマルチな才能を発揮している。





DVやCGでの映像制作にはどのような分野から入られたんですか。やっぱりイラストとか?
M どこから話せばいいんだろう……。一番最初にPCで作ったのは音楽なんですよ。中学生の頃からミュージ郎とかを使って、打ち込みで音楽制作をやったりしていましたよ。

もともと音楽への興味が映像に発展した? ではそのきっかけは何だったんでしょう。
M 子供の頃にディズニー映画の『トロン』(1981年作品、主演:ジェフ・ブリッジス。日本公開は1982年9月)という作品を観て衝撃を受けたことですね。この映画はCGを本格的に使った初めての映画だったんですが、それまであり得なかった、実写ではできないカメラ・ワークが出てくるんですよ。それで「トロンを作りたい!」って思って。その後、高校の頃はダンスにはまっていて、卒業後に美大に行くことが決まっていたんですが、ミュージカルのオーディションに受かったので2年間海外に出てしまうんです。僕、ダンサーとして12ヵ国をまわっていたんですよ(笑)。でもその裏には照明やカメラ・ワークを勉強したいという野望があったんですね。当時は、そういうことをしたくても機材が高くてできない、っていう事情がありましたから。スタッフ内で行なわれるキャスティング・オーディションで、わざとキャスティングから洩れるような下手な演技をしてテクニカルにまわってみたり(笑)。ツアーが終了する頃にはテクニカル・クルーとしてスタッフに入りました(笑)。

そこでテクニカル面を学んだんですね。
M そうですね。凄くいい勉強になりましたよ。CGを作る場合、1つの画面の中でカメラも照明も演出も全て作り込むので、監督の仕事と同じなんです。絵コンテを作る場合でもこういうことを知っていたほうが描きやすいですし。

(絵コンテを見せてもらって)凄くきっちり描き込まれていますね。このグラフィックのまま作ってもカッコいいものができそうな……。
M いや、これでもカット数をかなり間引いているんですよ。納品までに時間がない時は手描きの場合もありますが、こうやってキャラクターや構成が描き込まれた物を作っておけば、現場でスタッフ全体にイメージが伝わりますよね。

話は戻りますが、ミュージカルが終了して、帰国されてからは?
M 帰国後は読売文化センターで最年少講師としてブレイクダンスをしたり、いろいろやってましたよ。

なかなか映像がでてきませんね(笑)。
M そうなんですよ。その後、最大のきっかけはMTVのVJにスカウトされてVJ(司会)をするようになったことですね。その頃は今で言うクラブVJの認知度がやっと上がってきた頃で、僕自身、以前からクラブ・イベントの時には映像を使っていたこともあり、自分でも本業として絞れるんじゃないかと思ったんです。でも僕のことを知っている人に「僕はMTVのVJなのか、映像のVJなのか」と戸惑いを与えたようで、そのことが自分の中では劣等感になりました。自分がやっていることは全て興味の対象だし好きなことだったんですが、「何でも屋」になるのは嫌だったので映像制作だけに絞ったんです。



映像作品は、全て素材を一から作られるそうですが、どうやってイメージを膨らませるんでしょうか。トレーニング方法などはありますか?
M 僕の場合は「さあ、考えよう」って机に向かって絵コンテを書くようなタイプじゃなく、仕事と関係がない時に浮かぶという感じです。具体的には遊びだったり、自分が楽しんでいる時に限ってアイディアが浮かんでくる。あとは寝る前とか、お風呂とかトイレとか、閉ざされた空間の中で思いついたり。だから締め切りまで時間がなくて、アイディアが浮かんでこない時は、遊んだり、部屋の掃除をしたりして緊張を和らげます。人は自分を余計追い込んでいるって言いますけどね。まあ、そうとも言う(笑)。

画像を作って、編集をするというワークフローで使用するソフトを教えてください。
M 代表的な物だけを挙げると、モーション・グラフィックを作る場合はアドビのアフター・エフェクトというソフトでフィニッシュ・ワークまでを行います。3Dソフトは、Electric Imageを使うことが多いかな。他にもいろんなソフトをイイトコ取りで使います。例えば、モデリングはLight Wave、レンダリングはBMRTといった感じです。音楽ソフトで基本的にはCuBaseを使うという人も、作業によっては使い分けするじゃないですか? それと同じなんです。

エディロールの製品で、DV-7PRをお使いになっていますが、DV-7PRはどの段階で使用されるんですか。
M 素材を作って、それをDV-7PRに持っていって編集をするなどのフィニッシュ・ワークで使用します。それ以外では軽くて持ち運びしやすいので、PRに関していえば現場用という感じですね。DV-7PRを使うようになって以前と何が変わったかというと、今まではDVD、VHSなどいろんなメディアを持ち込んでいたんですが、これならハードディスクに全て入ってしまうので、荷物が格段に減りますよね。これは大きいですよ。あと、DV画質でオーバーラップやカラーエフェクト、スピード可変など、デスクトップでリアルタイムにできてしまうのは驚きです。

『Traffic』イベントのレポートはこちらから→
この前、六本木のヴェルファーレであったTraffic(Transイベント)で実際に使ったんですが、現場で編集が簡単にできるので凄く便利なんです。これだとエディターとプレゼンテーターが連動しているので、計算をしなくてもイン点とアウト点をすぐ変えられる。これは感動的でしたよ!

それ以外に気に入った点は?
M まず、ワークステーションの強みでもあるところですが処理速度が速いことに驚きましたね。クリエイターの人なら、皆さん機械に振り回されたくないハズなんですよ。新しいシステムを導入しても、それを使いこなせるようになるまでに時間を取られたくないですよね? DV-7PRはナビゲーターがきちんと出てくるし、実は、僕はまだ一度も取扱い説明書を開いていない。それでも使えるということは、それだけ操作が簡単だということですが、これは凄いことですよ。


 

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