フォレスト・ロビンソン&タク・ヒラノ
Profile
フォレスト・ロビンソン:
ドラマー、作曲家。4歳からドラムを始め、その後プロドラマーとしての活動を始める。TLC、デイヴィッド・ガーフィールド・オールスターズなどと共演。また、自身のバンド「EPIC」でも活躍中。宇多田ヒカルとの共演は2005年N.Y.ソーホー地区で行われた「Showcase Live」以来2度目となる。http://forrestrobinson.com/
タク・ヒラノ:LA在住のパーカッショニスト。フリートウッド・マック、ホイットニー・ヒューストン、ライオネル・リッチーなどの著名なアーティストと共演し、国内外を問わず、ワールドワイドに活躍中。「MTV Unplugged」以来、3度にわたって宇多田ヒカルのツアー・サポートを行っている。http://www.takuhirano.com/
 
今回のインタビューは宇多田ヒカルさんの全国ツアー「UTADA UNITED 2006」に出演中のドラマー、フォレスト・ロビンソンさんとパーカッショニストのタク・ヒラノさんの登場です。今回のツアーでフォレストさんはV-DrumsやSPD-Sを、タクさんはHPD-15、SPD-20などを使用されています。今回はご自身の音楽背景とともにこれらを使用した感想などを伺ってきました。

常に自分らしいスタイルとは、自分らしい音とは何なのかを追求している
 
まず、ご自身と音楽の関わりについてお伺いします。最初に音楽に興味を持たれたのはいつ頃ですか?
タクさん
(以下、T):
4歳くらいから音楽に興味を持っていたと思う。幼少の頃、両親が聴いていたジャズに感化され、打楽器に興味を持っていたけど、両親のアドバイスで最初は7歳からピアノを習い始めたんだ。
 
では、パーカッションに転向されたのはいつ頃なのでしょうか?
T: 9歳からはビブラフォンを始めた。メロディック楽器だけど、それがパーカッションを演奏する始まりかな。それ以来ピアノは真剣に弾いてないんだ(笑)。でも最初にやったピアノは、パーカッションをメインでやるようになってからもずいぶんと役に立ったよ。音階やリズム、楽譜の見方とかね。その後、近所の音楽教室でパーカッションを正式に習い、バークリー音楽大学でより本格的にこの世界に踏み入れたんだよ。
 
ではロビンソンさんにも同じ質問ですが、最初に音楽に興味を持たれたのはいつ頃でしょうか?
ロビンソンさん
(以下、R):
僕は4歳からドラムを叩き始め、今に至るまでずっとそれを続けているね。ただ、趣味でピアノも弾いていたよ。12歳の時にはオーケストラ楽団に入って、そこではティンパニーを担当していたよ。
 
尊敬するアーティストは?
R: この質問は短時間で答えるのは難しいけど、幼い頃両親から音楽を聴くよう薦められたアーティストは、レイ・チャールズやBB・キング、ボビー “ブルー” ブランド、ジョニー “ギター”ワトソン、アレサ・フランクリン, などかな。 そして、教会でドラムを演奏するようになってから好きになったアーティストはザ・クラーク・シスターズ、レブ・クライ・エバンス、ザ・シカゴ・マス・クワイアー、コミッションド など。10歳を過ぎてからはいろんなアーティストに興味を持ち、またいろんなアーティストと一緒に演奏したから、1つ1つ言うのは大変だよ。その中でも特に好きだった(そして今でも好きな)アーティストは、アイアン・メイデン、オジー、TNT、モトリー・クルー、ジューダス・プリースト、ワーロック、ドロ・ペッシュ、キングス X、ジャーニー、テスラ ……んー、言い出したらきりがないね! あと、これ以外にウィンダム・ヒルのCEOだったウィリアム・アッカーマンのことは忘れないでくれよ。自分の人生を方向付けてくれたのは彼だから、彼を私は今でも一番尊敬しているよ。
T: 幼い頃両親からよく薦められたのは、日本の音楽、ディキシーランド・ジャズ、ビバップ、エルビス・プレスリー、 カントリー音楽等だね。 音楽のことに興味を持つようになってからは、プログレッシブ・ロック(ジェネエシス、キング・クリムゾン)、 クラシック、ジャズ (ジョン・コルトレーン、マイルス・デイビス、アート・ブレイキーなど)、ラテン(ラテン・ジャズ、サルサ、キューバ、 民俗音楽)、ワールド・ミュージック (西アフリカ、ブラジル、インド等)、そしてもちろん、80年代、90年代のポップスやロックはよく聴いていたよ。 好きなアーティストの中で、今でも昔以上にもっと好きになっているアーティストはフィル・コリンズ、スティング、ピーター・ガブリエル だね。
 
ご自身が演奏のスキルアップのために行った効果的な練習をお教えください。
R: これはまた難しい質問だね(笑)。僕は1994年以降はダブル・ペダルを使ったドラミングでヘビー・メタル系の曲を演奏することが多くなったので、とにかくダブル・ペダルの練習をしているよ。これはいかに早くペダルを打つか、という練習だよ。今日使ってみたDW製の7000シリーズは使いやすくてびっくりした。いつもは僕はDW製の5000シリーズを使っているんだけど、7000シリーズのほうが楽に速く打てるね。これは凄いよ。俺も買おうかな。
T: 僕はとにかく自分らしい音、自分らしいリズムをいつも考えている。それを実現するために必要なスキルは、その考えていることに付随してできてくるもの。ちょっとうまく言えないなあ。
 
さまざまな音楽スタイルに対応でき、瞬時に音色を変えられる V-Drumsのおかげで今回のツアーでは納得できる演奏が実現したんだ
 
これまで多くのアコースティック・ドラム、電子ドラムを使用されてきたと思いますが、今回の「UTADA UNITED 2006」ツアーでV-Drumsを希望された大きな理由をお教えください。
R: ウタダのツアーではいろんな音楽スタイルの演奏をしなければならないんだ。そして曲に応じてそれぞれ事前に用意していた音を準備しなければならない。それも瞬時に。でもTD-20やSPD-Sがあれば、それが簡単にできるよね。僕がウタダのツアーのオファーを受けた時、予想していたのは、舞台の奥でプログラムされたシーケンサーがずっと走っていて、ドラム・パートをやる僕はその上で演奏をかぶせるだけなんだろうな、と思っていた。個人的にはそれでも僕は別に構わないんだけど、ドラマーがやれることは当然限られてくる。でも今回の2006年のツアーは違って、全部ライブ演奏だった。僕は神に感謝しているよ。これこそ10代の頃ドラム・マシン・プログラマーをやっていた頃からずっとやりたいと思っていたことなんだ。もの凄く自由度があったんだ。V-Drums TD-20はそのそれぞれのドラム・パターンに最適のドラム音を提供してくれる。これは凄いことだよ。もともとV-DrumsはTD-10の頃だったかな、楽器店に立ち寄った時に何だこれは? と思って触ったことが最初の出会いだったけど、音の良さにびっくりしたよ。あの時は、とにかく自分のインスピレーションにつながるような良い音がほしくて、どこかにないかな、といつも探していたんだ。
 
では、今回のツアーでは、どのようなセッティングをされたのでしょうか?
R: 今回のツアーでは、アコースティックのドラム・セットとともに、ラック・システムにPD-125を3台、SPD-S、TD-20、V-Cymbal 2つをセットアップして使っている。キック・トリガーにはKD-7も合わせて使っているよ。SPD-Sもほんとに便利だね。エレドラ音や効果音など、自分の好きなサンプリング音をメッシュ・パッドにつなげて、外部トリガーとしてつなげて鳴らすこともあるし、直接スティックで叩くこともあるよ。
 
アコースティック・ドラムとV-Drumsは音楽やスタイルによって使い分けが必要だとお考えですか?
R: 僕はアコースティック・ドラムと電子ドラムで特別な叩き分けをしているわけではないんだ。スティックも同じものを使っている。TD-20を使うようになって、キック、シンバル、タム、ハイハットについては、全くアコースティック・ドラムと変わらない感覚で叩いているよ。でもスネアだけはやはり少し違うね。スネアのリムには、生ドラムの場合、手に残る独特な感覚があって、それがV-Drumsのスネアにはない。でもそれはピアノでもギターでも、アコースティックと電子では双方がそれぞれ違うように、どちらが正しい、というものではないと思う。



   
Copyright(c) 2000-2006 Roland Corporation All rights reserved