レイハラカミ
広島生まれ、京都在住。1998年、Sublime Recordsよりアルバム『unrest』でデビュー。テクノ、ジャズ、フュージョンが複雑に融合したかのような独自のサウンドが評判となる。その後、1999年『opa*q』、2001年『red curb』をリリース、新たな電子音楽の担い手として多くのアーティストから賞賛され、矢野顕子、UA、Great3などの楽曲プロデュース、また、くるり、竹村延和、コールドカット(UK)など多数のアーティストの曲をリミックスするなどジャンルを超えたコラボレートを実現。Fuji Rock Festival、RISING SUN ROCK FESTIVAL、くるりpresents百鬼夜行などをはじめ、フランス、ドイツなどのフェスティバルにも参加。2005年5月25日に4年ぶりとなる待望のニュー・アルバム『lust』をリリースしたばかり。
 
▲SC-88pro
今回のインタビューは5月25日に4枚目となるアルバム『lust』をリリースしたレイハラカミさんの登場です。ハラカミさんはSC-88proとVS-2000CDを使われているそうです。都内にあるハラカミさんの所属レーベル、Sublime Recordsにおじゃまして、ニュー・アルバムについて、曲作りについてなどのお話を伺ってきました。

まず最初に、ご自身で音楽作りを始められたのはいつ頃ですか?
レイハラカミさん
(以下R):
僕は1970年生まれなんですけど、いきなり打ち込みなんかできるわけじゃなくて、小学生、中学生の頃はカセットテープにいろいろと録音して遊んでいたんです。それとは別でピアノも習ってはいたんですが、ピアノには全く興味が持てませんでした。
 
テープに多重録音していたんですね。
R: そんなにきちんと作曲をしていたわけではないですけどね。それなりに音楽的なことを始めたのは中学に入ってからです。友達とバンドをしながら、家ではテープデッキ2台で多重録音などをしていました。その頃になってもシンセなんてまだまだお高い時代でしたから。打ち込みを始めたのは20代に入ってからですよ。
 
どのような音楽を作られていたんでしょうか?
R: 何でしょう? まあ、よく分かんないことを(笑)。聴いていただければ分かると思うんですけど、もともとテクノを作りたい、ロックを作りたい、という考え方で音楽を作っていないので、できる範囲で意味不明なことをやっているというか。
 
音響的に楽しいことをやっていたという感じですか。
R: そうですね、音楽というよりは音響。本当にずっと試しながらやっている世界なので。それこそ作った曲を友達にはシャレで聴かせることはあっても、いちいちデモテーブでどこかに送ったりということもしませんでしたし。
 
コンピューター・ミュージックで最初に使った楽器は何でしたか?
R: 学生の時に、大学にSC-55MK2とEZ Visionの組み合わせがあって、これはシンプルで分かりやすいし、頑張ったら僕でも買えそうだなと思ったんです。
 
でもマックが必要ですよね。
R: マックは兄が買い替えるからと譲り受けてたSE-30があったんですよ。だから、あとは20万くらいあれば打ち込みセットは買えるなと思って、SC-55MK2ではなく、発売されたばかりのSC-88を買いました。
 
打ち込みを自分でやろうと思った一番の理由は何でしたか?
R: もともとバンドも宅録も経験していたし、すでにやっている先輩もいたので、教えてもらいつつできるかなという気持ちで。でも、とにかくEZ Visionとサウンドキャンバスという組み合わせが分かりやすかったのが一番の理由です。
 
今メインで使っているのはサウンドキャンバス SCシリーズの、SC-88ではなくSC-88Proなんですよね。
R:
▲SK-88Pro
そうです。基本はSC-88Pro2台。それにSK-88ProとVS-2000CDを使っています。3rdアルバムの『red curb』まではSC-88Proで全体を作って、最後にトータルEQをかけてるだけなんですよ。今回のアルバムはちょっと変えて、SC-88ProからVS-2000CDに2チャンネルで落としたままのものと、トラックをバラバラに分けたものとを作って聴き比べたりしました。どっちがいいか試したかったんですよね。
 
エフェクトは別に何か入れていますか?
R: VS8F-2を入れてます。ライブでダブ処理するために、ディレイと深めのリバーブなどを使いました。
 
フェーダーや、つまみのコントローラーを使っての入力はされないんですか。
R: いわゆるMIDIコントローラーはあまり使いません。シーケンサーでコマンドを使ったり、マウスで入力したりしています。例えばピッチベンドの表現などは、ベンダーを動かしてMIDIデータを録ってみて、面白いところを残します。そのデータを見て「こういうことね」って分かったらきれいに弾き直して録音しています。
 
打ち込みはリズムから作られるんですか?
R: いや、いろいろです。リミックスの場合は特にメロディという制約が出てきますから、それに合うように、ある程度大まかなコードから作っていくんです。まあ、手を動かして試しながら作っていく感じですね。そうしてるうちに、自分であれこれ発見できるのが面白いと思うんですよね。
 
エフェクトの変化も、コントロール・チェンジのデータでやってるんですか?
R: 必要に応じてですけど。エフェクトで、僕にとって重要なのはSC-88シリーズのパン・ディレイ。プリセットの状態ではバランスが偏ってるのでそれを中央にします。音がセンターで鳴っているときに均等にディレイが左右交互に動くようにするわけです。これが僕の大好きな音場なんです。
 
ランダム・パンとかも使いますか?
R: 時々使っていますよ。あと、インサーション・エフェクトの中でのお気に入りは、ディストーション/オーバードライブ系。それにフランジャーを同時にかけて、限りなく薄く鳴らすと、アンプにブッ込んだような音になるので好きですね。あと、3D AUTOと表示される、左右だけでなく奥行きも動く3Dパン。あれも凄い好きなんですよ。
 
VS-2000CDはライブでもお使いだとお聞きしましたが。
R: 1998年にVS-880EXを買って、ミキサー代わりにしたり、ライブの時は本当にこれだけ持って行ってその場でミックスしたり、エフェクトを使ったり、まあダブ処理みたいなことをしていました。それを去年VS-2000CDに買い替えたのはなぜかというと、もちろんトラック数が多くなったということもですが、定型のラックに入るからなんですよね。小さいし、持ち運びもできるなと思いましたし。
▲VS-2000CD
 
VS-2000CDとVS-880EXの違いはどんなところで感じられますか?
R: 製品の登場に5〜6年の差があるので全然違いますよ。EQの幅が1.5倍くらいは増えてて、凄く効くなあって感動しました。
 
仕様に関してはいかがですか。VS-2000CDにはディスプレイのバックライトが付いていますが。
R: ディスプレイが光るのは便利ですよ。VS-880EXはバックライトが付いていなかったので、ライブの時にいちいちライトを使っていましたからね。



   
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