雷電湯澤(らいでんゆざわ)
高校時代にドラムを始め、1985年に聖飢魔IIに加入。1999年の解散まで、15枚のアルバムを残す。2000年からは不定期で活動していたインスト・ユニットRXを本格始動させ、3枚のアルバムを発表。現在はハード・ロック・トリオCANTAのドラマーとしてアグレッシブなプレイを聴かせている。

MASAKI(マサキ)
1967年生まれ、大阪府出身。18歳の時上京しインディーズ活動ののち24歳でプロデビュー。その後SHY BLUEでの活動を経て、元聖飢魔IIのルーク篁(G/Vo)、雷電湯澤(Dr)ともにCANTAを結成し精力的に活動中。高度な演奏テクニックとへヴィネスを合わせ持つプレイは見るものを惹きつけてやまない。また、アニメタルやソロ・プロジェクト、さまざまなセッション活動など幅広いシーンで活躍している。
 
今回のインタビューは7月23日(土)に東京は渋谷にあるShibuya O-Eastで行われた、イベント「V-Drums & V-Bass 怒濤の ONE DAY スペシャル 〜今年はリズム隊の対決だ〜」でYUKIさん(ギター)、松崎雄一さん(キーボード)とともにスペシャル・バンドとしてステージで演奏していただいた雷電湯澤さんとMASAKIさんの登場です。当日のライブ会場にお伺いして、ステージで使用したローランド機材について、また楽器の練習法などについてもお話をお聞きしました。

 
最初に、今回のユニットを結成した経緯をお聞かせください
MASAKIさん
(以下M):
元々僕がローランドのイベントでお世話になっていて、今回は僕と湯澤さんがやっているCANTAというバンドのリズム隊で参加して欲しいというお話をいただいたんです。ただ、ベースとドラムだけで演奏するとセッション的なノリが強くなってしまうので、良きパートナーであるミュージシャンの方々にもご参加いただいて、バンドスタイルで演奏しようということになりました。
 
本日ステージで使用されるローランド/ボス製品を教えてください。
雷電湯澤さん
(以下R):
V-Drumsの音源はTD-20です。もともとV-Drums自体は自宅にあるのですが、TD-20は先月初めて使いました。TD-20は上位機種だけあって、自分が持っている音源よりさらに改良されていて、凄く遊べるんですよ。
 
具体的にはどんなことができるんでしょうか?
R:
TD-20
音色のエディット関係が凄い。1から音を作れるし、フレキシブルさが物凄く高くて、もっと早く買っておけば良かったって思いました。
 
ご自宅にあるV-Drumsではどの音源を使っていらっしゃるんですか?
R: 僕はパッドだけは一番いいやつを揃えたんですけど、音源にはこだわっていなかったのでTD-6を買いました。それも店で触って音色を確かめた上で、全然問題なく使えると思いましたから。でもTD-20は凄い。スネアだったら1つ1つのシェルの材質から深さ、ヘッドの種類まで全部選べるし、セットを組んだ上でEQの調節も、物凄い数のパラメーターが付いていて自由に変えられる。これはもう一生遊べますよ。
 
V-Drumsのメッシュヘッドの打面が気に入ってご購入されたそうですね。
R: V-Drumsの発売当初だったと思いますが、芝浦スタジオに展示してあったんですよ。電子ドラムは黒いゴムのパッドのイメージしかなかったんですが、ヘッドが貼ってあるので、「何じゃこりゃ?」と驚いたのを憶えています。しかも「チューニング・ボルトが付いていて、ちゃんと回してチューニングができる!」って。ちょっと遊んでみたら物凄くリアルな音が出せたので、割とすぐ飛びついて買ってしまいました。
 
今日のステージはどのような音を中心に使われますか?
R:
ライブでV-Drumsを使うのは初めてなので、まだかなり試行錯誤をしているんですが、あらかじめプリセットされているドラムセットのバランスが凄く良かったので、基本はそのまま使わせていただいています。他とのバランスでちょっと足りない部分などを補正しているんですけど、それでもプリセットごとまるまる3つくらい使っている感じです。
 
具体的にどのプリセットをお使いなんでしょうか?
R: 1番「V-Pro」と3番「METAL」と11番「Spark!」を使ってます。実は、今回は使わないんですが13番「Antique」と32番「70sRecord」という音色にも興味をそそられているんです。
 
開閉式のVハイハット VH-12をはじめ、Vシンバルなどの金物類についてはいかがですか?
R:
VH-12
あれも凄く衝撃を受けたパッドの1つですよ。シンバルを指でミュートして音が止まるってことは革命的でしたから。ハイハットに関しても開閉式といい、1枚タイプのものといい、本当に生ドラムと同じ感覚です。
 
雷電さんが考えるV-Drumsならではの使い方はありますか?
R: 今回みたいに曲ごとに音色を変えるなんてことは、生ドラムだとできないことですよね。スネアくらいはパッと取り替えられますが、セット全体を取り替えるなんて大変なことです。でもV-Drumsなら、演奏する10曲全部で違うセットの音色を使うことだってできるし、もっと言えば1つの曲の中でセットを変えることだってできるわけです。今日もキーボード・ソロの部分だけ、ドラムの音量が出過ぎちゃうので切り替えるんですけど、こういうことができるっていうのも魅力ですよ。
 
生ドラムとV-Drumsはどのように使い分けていらっしゃいますか?
 
R: 普段は生ドラムがメインですので、このイベントがきっかけでV-Drumsを本格的に使うことができたんです。普段は練習と言っても家で叩くだけでしたからね。でもこれを機にちゃんとV-Drumsと向き合ってみようと思いました。
M: さっきもアコースティック・ライブの時はV-Drumsがいいかもって話をしていたんです。
R: そうなんです。大音量が出せないようなインストア・イベントでも迫力のある音を出せますよね。
M: うちのバンドはインストア・イベントって困るんですよ。CDショップではなかなか大きな音が出せないので、アコースティックになっちゃうんですけど、我々はバンドなのでドラムも出さなきゃって思って、断ることが多かったんです。
R: 生ドラムはダメです、ってお店が多いので、これからはV-Drumsを持って行きます。
 
 
ではMASAKIさんにも同じ質問をしますが、今日のライブで使用するセットを教えてください。
M:
GT-6B D-BASS
前回同様、足元はGT-6Bを使いつつ、今回はまだ発売前のものですが、新製品のアンプ、D-BASS210とD-BASS115Xをスタックして2セット使います。これはLowの出方1つとっても凄く工夫されて作られているので、コンパクトな外見ながらしっかり鳴ってくれるんですよね。
 
MASAKIさんならではのベース・アンプのセッティングはありますか?
M: 今回2セットを鳴らしていますが、1セットは歪み用、もう一方は何も通さずに全くクリーンな状態で使っています。歪みのほうは、ツィーターを使い過ぎると高い音の成分にまでかかっちゃってキラキラし過ぎちゃうので、あえて使わず、クリーンなほうにだけツィーターを使って抜けを良くしています。しかも調節がフロントでできるんですよ。ベース・アンプのツィーターって、1度後ろに回らないと調節できないものが多いんですが、それをフロントで調節できるのは凄くいいですね。このベース・アンプは割と僕が普段ライブで想像している音がそのまま出ているんじゃないかと思います。ライブでもレコーディングでも使い勝手が良さそうですね。
 
今回の特別なセッティングはありますか?
M: いつも通りではありますが、今回はドラムとベースにスポットを当てたイベントなので、ベースでできることを、とにかくたくさん見せようと思っているので、テクニックに合わせて音色を切り替えているんです。出したいプレイに合わせて音色を踏み変えて音を作っている感じですね。自分の奏法に合わせて抜ける音を作って、お客さんに届けることを意識しています。
 
MASAKIさんから見て、V-Drumsという楽器はどのようなものでしたか?
M: まずモニター作りの大切さはどんな場合も大前提になりますが、通常後ろで聴こえてくるドラムの音がない状態で演奏することは驚きでした。自分の足元から出すモニターの音をバランスよく作らなければ、ひとかけらもドラムの音が鳴ってこないですからね。本来だったらドラマーの体調によって音はいろいろと変わってくると思うんですが、V-Drumsのように音の調節、切り換えができる楽器の場合ではどうなんですか?
R: 音量の面で言えばコンスタントに安定するよね。例え30曲演奏したとしてもヘバることはないし、極端に言えば70歳になってもCANTAができる(笑)。
 
では、雷電さんから見て、今回のMASAKIさんのサウンドはいかがですか?
R: 普段はステージ上のほぼ同じ位置で演奏しているんですが、生音が物凄くでかいので、CANTAの時はベースは返さなくていいくらい。だからモニターがほとんどゼロなんですよ。でも今日のセットだと音色ごとの違いがダイレクトに細かく聴こえてくるので、モニター上はちょっと気をつけなきゃいけないこともあります。でも逆に音が埋もれることがないので、きちんとモニターを作っていれば、超絶な演奏をやっていてもきちんと伝わってくるんですよね。
 
ステージ上がとにかく静か、という感じなのでしょうか?
M: ああ、そうですね。生音が鳴ってないですから。
R: かなり面喰らったよね。
M: もちろんモニターの音作りも経験値が必要なものですから。最初から音量を上げてモニターの音を作ると周りは聴こえないですよね。聴こえないから周りも音量を上げる、また聴こえなくなるから上げて、というのが一番よくない関係じゃないですか。モニター音は、最初は一番小さな音から作り始めて、自分の生音に対してどれだけの音が必要かを考えて少しずつ足して調節していくことが大事なんです。



   
Copyright(c) 2000-2005 Roland Corporation All rights reserved