西脇辰弥氏インタビュー
〜VP-9000インプレッション〜
“良い楽器の条件”とは、使い手に対して“いろんなサプライズがあること”だと思う。

西脇辰弥
【プロフィール】
愛知県出身、6 歳からピアノを始める。1984 年、名古屋大学在学中 よりプロ活動を開始。87 年、“PAZZ ”のメンバーとしてCBS ソニー よりデビュー。88 年より、作、編曲、サウンド・プロデューサーとしての活動を始める。 ストリングス、ブラス・アレンジにも定評があり、その独自のスタイル の作品群は常に高い評価を得ている。
  今回は、実際にVP-9000を使って曲作りをされた経験をお持ちの西脇さんにお話を伺います。

最近のお仕事は?

西脇) 「keno(キーノ)」というユニットのプロデュースを手がけました。 「ボーカル + キーボード + ギター」の構成で “R&B+ビートルズ”という感じの音楽をやっている若手ユニットなんだけど、シングル”おはよう”がオリコンでいきなり17位 に初登場、なかなか勢いのあるユニットです。 あと、最近人気のバンド「Pierrot(ピエロ)」のプロデュースも手がけています。 現在、6月発売のシングルを作り終えたところなんですが、かなり強力な作品になっていて、メンバーも僕も、確かなの手応えを感じています。また、ローランドの新製品 VP-9000を多様していて、今まで、聴いたことのないような音世界を楽しめると思いますよ。

ご自身の活動としては?

西脇) 昨年の12月から、プロデュース・ワークの合間を縫って、僕自身のソロ・アルバムのレコーディングをしています。このアルバムはビクターのAOSIS(アオシス)レーベルから、7月23日にリリースされます。アルバム・タイトルは "Atmosphere"。これと平行して、“西脇辰弥The Atmosphere”というバンド名で(メンバーは、西脇、松原秀樹(b)、村石雅行(d)、矢堀孝一(g)、小野塚晃(k))ライブ活動を行っています。次回は、6月11日、六本木ピット・インです。この日は区麗情さんが、ゲストで唄ってくれます。また9月には、ツアーも予定しています。

Atmosphereというのはギリシャ由来の英語なんだけど、atmosには”空気”そして”旋律”といった意味が、sphereには”球体””空間”といった意味があるんですよ。僕はかねてから、”空間を感じる音楽”をやりたいと思っていて、The Atmosphereの音楽は、この”旋律の空間”という意味に象徴されているんです。




西脇さんが音楽をはじめられたきっかけは?

西脇) 6歳のころにクラシックピアノをはじめ、小学校でブラスバンドに入り先生の影響で音楽にハマりました。「譜面 が読めるから」という理由で入ったのですが、トランペット/ピアノなどの多くの楽器を経験し、ここでいろいろな楽器への心理的な垣根が無くなったように思います。
最初は主にクラシックを聴いていて、「モーツァルト」そして「ベートーベン」から「ロマン派」へと移り、次に「ロシア系」に行って「ストラビンスキー」から「スクリャービン」というように比較的綺麗な音楽からどんどん汚れた音楽(笑)のほうに趣向が移っていきました。
そして「アース・ウィンド&ファイアー」のアルバム「太陽神」を聴いたときに震撼してブラック・ミュージックに目覚めました。
大学入学とともに軽音楽部に入り、4chのMTRを買って友人のバンドのデモ・テープを作ったりしていました。ここで"プロデュース・マインド"に火がついたように思います。 こうして大学在学中にオーディションの話があり“PAZZ”のキーボードとしてCBSソニーからデビューして現在に至ります。


曲を作っていくとき、メロディーやリズム、バックのオケなど、どのようにして作られますか?

西脇) 作曲する人っていうのは2とおりのタイプに分かれると思います。 まず一つは「モーツアルト・タイプ」で”一気に”作り上げるタイプで、このタイプは多作家が多い。
もう一方が「ベートーベン・タイプ」で、一つの小さなモチーフをどんどん膨らましていくタイプ。このタイプの作曲家は、曲数はあまり多くは出来ないと言われています。 僕はどちらかといえば「ベートーベン・タイプ」ですね。
思いついた「一個のテーマ」を最後まで引っ張ってその特徴を活かすような作り方をしています。
このテーマというのは別にメロディーに限らないで、「コード進行」とか「響き」だったり、あるいは「印象的な機材」とかでもいいと思うんです。
例えば、この特徴が「楽器」だったら、この楽器をどう活かす?とか...あるいは、メロディーやモチーフだったら、ひっくり返したり、ストレッチしてみたりとか...こうやって完成度を上げていきます。
今回触っている「VP-9000」は、このような作業に非常に向いている楽器といえますね。
 



 

Copyright(c) 2000-2004 Roland Corporation All rights reserved