Profile:ミッキー吉野 >>1951年12月13日生まれ。3才からピアノを習う。1968〜1970年ゴールデンカップスに参加、「長い髪の少女」などのヒットを出す。1971年、アメリカ・バークリー音楽学院に入学、1974年卒業。1976年リーダーとしてゴダイゴを結成。ゴダイゴ活動休止以降、パン・スクール・オブ・ミュージックを開校。1992年まで校長を6年間勤めた。1990年代に入り、音楽家の愛と祈りを込めた29曲の楽曲集「ART ART ART FOR THE EARTH FROM MY HEART」を、国連をはじめ世界の要人に送り、またシングルCD「RETURN TO CHINA」、アルバム「IN THE BOOK OF HEAVEN」(1994年)を発表。戦後50周年・長崎平和コンサートをプロデュース。1995年には中国大連人民政府に招かれ「RETURN TO CHINA」を初演。1996年GODIEGOレーベルより、アルバム「ゴダイゴ記」発表。1998年、アルバム「POP ART MUSIC」、そして30周年記念アルバム「ORIGINAL TRACKS R.B.G」を発表する。1999年オリジナルメンバーによるゴダイゴを再結成し全国ツアーを展開。また、CM音楽制作、音楽プロデュース、コンサートプロデュースなどでも精力的に活動している。

今回のインタビューはゴダイゴのリーダーであるミッキー吉野さんの登場です。ミッキーさんと言えば世界のミュージシャンとも数多く共演をされる日本の名キーボーディスト。取材当日はミッキーさんと古くからの知り合いというローランドのスタッフと一緒に、ミッキーさんのスタジオにお邪魔しました。





ミッキーさんにはかなり古くからローランド製品を使っていただいていますが、一番最初にお使いになられた楽器はなんですか?
ミッキー吉野(以下M)80年代は縁があって色々使っていましたね。一番最初はEP-10です。これはアメリカにいる時に使っていました。あとはEP-30とかMP-700、VK-9も使っていましたね。

最近はRD-700をご愛用いただいていますが、使い心地はいかがですか? 現在もヒダノ修一さんとのライブでご使用していただいていますね。
M
▲RD-700
使い心地はイイですよ。それに操作性も今までより使いやすくなったし。でも一番いいところは「持つ音をしている」というところなんですよ

持つ音、ですか?
M そうです。ソロの場合じゃなくてバンドの中で演奏すると、デジタルピアノの音って他の楽器の音に飛ばされちゃうんですよ。Charみたいなギタリストと一緒に演ったりすると、もう、音がこもっちゃってすぐ飛ばされちゃう。でもそれがRD-700になってから完全に解消されましたね。ヒダノ修一さんとの場合も、ご存じのように和太鼓っていうのは音のレンジが広いし、普通だったらドン、と一発出されちゃうと何をやってもそうそう勝てないんですよね。

 



じゃあ、RD-700は音がしっかりしているという事ですか。
M 音がしっかりしている。あとはローランドのキーボード全般だけど鍵盤がしっかりしているから、音の微妙なニュアンスを表現する力は群を抜いてますよ。ソロをとる時にはRD-700とJD-800を使っています。アンサンブルの場合は他社製品だったりするけど(笑)。

ステージとレコーディングで機材を使い分ける事はしますか?
M 僕は基本的にソロをとるプレイヤーだから、どちらの場合でもRD-700のような楽器が一番いいです。さっき話した鍵盤の関係だろうけど、ローランドのエレピだと、例えサウンド・キャンバスの音でもイイ音で鳴るんですよ。
ローランドスタッフ(以下R):サウンド・キャンバスも一世代前ではスタジオの上位機種ですから(笑)。

M ジョー・山中さんの『W's』(日本コロムビア/COCP-31322)というアルバムでサウンド・キャンバスを使って曲を書いたんですが、これを人に聴かせるとみんなびっくりしますよ。音を良くする鍵盤なんだろうね。これは不思議なんだけど、正しいよね?
R 多分、ベロシティの出方が楽器的なんじゃないかな。うちは音色や鍵盤など何にしてもよりリアルに、真っ正直にしてきたから、生々しいところもありますね。

 
楽器を選ぶ時に、シンセサイザーならどんなビンテージ・シンセの音が入っているかとか、音作りの操作性はどうかなどにこだわる人も多いんですが、ミッキーさんの場合はいかがですか?
M 難しいですね。僕の場合は音作りに関してはレイヤーの機能を使うくらいしかしませんよ。だってプリセットに入っている音が一番いいに決まっているじゃないですか。ファクトリーでプロが研究に研究を重ねて作り上げた音ですから、それを上回るものがそんなに簡単に作れるわけがないと思います。

長年の音楽活動のうちに楽器の流れや変化を見てこられたと思いますが、これまでの進歩をどう感じますか?
M 音のヌケから操作性から、メーカーはいろんな事を研究開発してより良い物を作ろうと、そこに命を賭けていているわけでしょう? その分、新しい楽器は可能性がそれだけ拡がっているという事ですよね。

昔の銘器と呼ばれるものも今でも使われるんでしょうか?
M よくみんな昔の楽器はイイって言うけど、やはり古い楽器よりは新しい物のほうがいいですよ。僕もフェンダー・ローズのスーツケースをいまだに持っていますけど、よっぽどリクエストがなかったら使いませんよ。いちいちチューニングを気にして演奏したくないです。どんなにローズの音がいいといってもその楽器の特性を分かって、そういう奏法ができれば“ローズの音”が出るんです。

フェンダー・ローズを弾きこなしてこられたからこそ、ですよね。
M そうでしょうね。でも音の出るタイミングが違うだけなんです。鍵盤のカタカタいう音の後に遅れて音が出るんですよ。だからみんなより先で演奏する、そうしないとトロくなっちゃうっていうね。そのタイミングのようなものが感覚として身に付けばそれらしい演奏ができますよ。


 

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