PROFILE:Kyon
1957年生まれ、1987年よりボ・ガンボスのキーボーディスト兼ギタリストとして活動。95年のバンド解散後、96年に細野晴臣、高橋幸宏、佐野元春、鈴木祥子、小原礼、下山淳といった豪華なミュージシャンがゲスト参加したソロ・アルバム『6210 In My House』をリリース。また、セッション・ミュージシャンとしても活躍しており、ギター、キーボード、マンドリン、アコーディオンなど、さまざまな楽器をこなすマルチ・プレーヤーとして佐野元春をはじめ、数多くのアーティストのアルバム、ライブに参加。プロデューサー、アレンジャーとしても活動の幅を広げ、その多彩な才能からDr.Kyonとの異名をとっている。現在、佐野元春&THE HOBO KING BANDのTHE MILK JAM TOUR' 03のツアー中。

今月のインタビューは、さまざまなセッションやレコーディングで活躍されているキーボーディスト、Kyonさんが登場。マルチ・プレーヤーとして、多くのミュージシャンから絶大な信頼を得ているKyonさんの素顔に迫ります。また、現在行われている佐野元春&THE HOBO KING BANDのTHE MILK JAM TOUR' 03ツアーで使用されている、ローランドの新製品V-SynthとV-Comboの感想もあわせてお届けします。




まず始めに、ピアノやキーボードを始められたのはいつ頃ですか。
Kyon(以下K)3歳の頃に近所に音楽教室ができたので、オルガンを習いに行くんです。そこでオルガンを2年くらい習って、ピアノのコースに移りました。最初はバイエルから始めて、途中でその音楽教室から個人の先生のレッスンに変わりましたが、高校3年までピアノを習っていました。

音楽、バンドに興味を持ったきっかけになるアーティストはいらっしゃいますか。
K) ずっとピアノを習っていて、クラシックばかり聴いていたので、一番最初に影響を受けたのはグレン・グールドというクラシックのピアニストです。青春時代の影響という意味では間違いなくローリング・ストーンズですね。

ボ・ガンボスでプロデビューをされたきっかけはどのようなものでしたか?
K) ボ・ガンボスのボーカルだった人から「バンドをやらないか」と電話があってバンドを始めたんです。87年に結成して、全国各地でひたすらライブをやり続けていたら、レコード会社から声がかかって89年にデビューをした、という感じですね。

ボ・ガンボスのボーカルであるどんとさんとは以前からお知り合いだったんですか。
K) そうです。僕は育ちは大阪なんですが、すぐに京都へ行ったのでその頃からの知り合いでした。

デビュー前に一度、就職されているとお聞きしたのですが、その間は仕事とバンド活動を両立されていたのですか。
K) いや、仕事をしている時は全くバンドはやっていませんでしたね。東京に出てきて、テレビの番組制作の仕事を2年弱やっていたのですが、バンドに誘われたので2つ返事でOKして、会社は辞めました(笑)。

プロ意識を実感させられた出来事やお仕事の転機などはありましたか?
K)
ボ・ガンボスを結成して間もない頃に、山本耀司さんのソロ・コンサートに参加することになるんですよ。そのライブを、山本さんを兄貴と慕う高橋幸宏さんが観に来ていて意気投合したのがきっかけで、高橋幸宏さんのレコーディングやライブに90年から6年くらいの間ずっと参加していました。その流れで、高橋さんが主宰されていたコンシピオ・レコードから96年にソロ・アルバムが出ることになったり、いろいろと勉強させてもらって面白かったですね。

プロとして仕事の現場で一番必要とされる部分やご自身が気をつけておられることをお教えください。
K) 音楽業界だからといって特に特殊なことはないと思います。職種に関係なく責任や役割はあるだろうし、興味を持ってその仕事ができるかが大切なんじゃないでしょうか。





現在、佐野元春さんのツアーで、V-SynthとV-Comboをお使いになられているそうですが、使用されての感想をお願いします。
K)
V-Synth
キャラクターが違うのでそれぞれ使い方は違うんですけど、どちらも凄くライブ向きですね。V-Synthはサンプリングを中心に使っています。例えば自分でピアニカを吹いて、マイクを立てて録音した音を使っているんですが、実際のピアニカではできない両手で弾いたような演奏もできるし、最終的にできあがった音が全く新しい楽器として生まれ変わっているんですよ。ツアーが終わって時間ができたら取り込んでみたい音がたくさんありますね。 V-Comboのほうはハモンド・オルガンの上にセッティングして、両方オルガンの音で演奏したり、ピアノ音色をプラスしたりと、かなりの曲でメインに使っています。正面にセッティングしているんですけど、お客さんのほうを向いてニコニコしながら演奏できるタイプの楽器なので、今までになかったプレイができるんです。

今までもサンプリングを使って演奏されていたと思うんですが、V-Synthでのサンプリングに、これまでのものとの違いを感じられますか?
K) どのサンプラーにも個性があるように、V-Synthのサンプラーにも個性がありますよね。それと同じように、V-Synthの音色そのものが僕にとっては感動的だったんです。それから、今までは1音サンプリングすると変えられなかったタイム、フォルマント、ピッチが、バリフレーズを使ってすべてを一瞬にしてコントロールできるようになった。これはもう革命的なことだと思います。

ローランドスタッフ(以下R):V-Synthのフィルター部分にはCOSMというセクションがあるんですが、もし面白かったCOSMがあれば教えてください。
K) いままでのオシレーターの分かりやすい効能にくらべると、COSMは斬新で最終兵器みたいな感じがしますね。時として予想できない動きをすることがあって、予測をはるかに超えた音に変身するんです。

R) 音がなくなったりしますからね(笑)。
K) そうそう(笑)。今までの音の変化の幅が100から1000くらいだったとしたら、0から無限大に広がっている感じ。だからコントロールしづらいとも言えるんですが、最後にどうしてもCOSMを使いたくなっちゃいます。最初に触っちゃうとエライ目にあいますけど(笑)。



   
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