PROFILE:日野賢二
1967年8月17日東京生まれ。1975年より父、日野皓正と共にニューヨークに移住。9歳よりトランペットを始め、高校でミュージック&アーツへ入学、ジャズ・フュージョンを学ぶ。16歳でマーカス・ミラーに出会いベースに転向し、17歳の時、ジャコ・パストリアスに師事する。 19歳よりプレイヤーのみならずミュージック・ディレクターとしてもプロ活動をはじめ、N.Y. を中心に活動するアーティストや日本人アーティストのN.Y.レコーティングに参加。89年にはアポロシアターのハウスバンドの一員として出演を果たす。2003年、デビュー・アルバム『JINO in Wonderland』をリリース。本拠地を日本に移し、ベーシスト、コンポーザー、プロデューサーとして精力的に活動を行っている。
今回のインタビューはベーシストの日野賢二さんの登場です。日野さんはパシフィコ横浜で開催された2003楽器フェアで、25日にローランドの特設ステージでV-BassとDB-500を使った演奏を披露してくださいました。今回は当日の会場にお邪魔してライブ終了後にお話を伺ってきました。なお今年の楽器フェアの様子をお伝えするイベントレポートもトップページからご覧いただけます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

今日のステージではDB-500V-Bassの他にコンパクト・エフェクターがズラリと並んでいましたが、毎回このようにセッティングされているんですか?
日野(以下H) いつもあんな感じかな。たまに違うグループでバッキングをする時は、コンパクトだけの時もあるけど。今日はベースでいろんな表現ができるんだよ、って短い時間で見せたくて、1曲の中であれこれエフェクターを変えたけど、普段の自分の曲では1曲の中であれこれ使うのではなく、曲ごとにV-Bassとコンパクトを使い分けてます。

エフェクターを多用するギタリストは多いですが、ベースでエフェクターをこれだけ多く使おうと思ったのはなぜですか。
H) 僕、ギタリストが凄くうらやましくて。ベースはやっぱり後ろで支えるイメージだけど、ギターは前に出てきてエフェクター使って弾くでしょ? ベーシストでもジャコ・パストリアスとかラリー・グラハムみたいなベースをやりたいなって思ったんです。コンパクトはもう15歳くらいの時からずっと使っていて、今はもう売ってないBOSSのエフェクターボードもずっと使っているんだけど、今までに2〜3回くらいタクシーの中に忘れてきちゃったり、友達に貸して壊れちゃったり。その都度、中のコンパクトとエフェクターボードを買いなおしてるんだよ。

日野さんが音色にこだわりを持つのはやはりジャコ・パストリアスの影響が大きかったんですか?
H) そう、ジャコね。僕ジャコと一緒に住んでたことがあるんですよ。高校卒業して親父のバンドのボーヤをやっている時に彼がライブにやってきて、そこで初めて会いました。その夜みんなでセッションをしたんですが、その時の演奏がシブくて! 親父が「俺の息子、ベース始めたんだよ」って彼に言ったら、ジャコが「みんな、俺の新しい弟子だ!」って言ってくれて。ジャコやマーカス・ミラーとか、うまいベーシストのプレイを見ると彼らは表現力が豊かで、エフェクターをうまく使ってるんですよね。僕は彼らの演奏をずっと見てたから、自然とエフェクターを使って遊ぶのが好きになっちゃったんです。

初めて買ったコンパクト・エフェクターはなにか憶えていますか?
H) 最初はオクターブかな? ポール・ヤングって知ってる? ピノ・パラディーノっていうベーシストが「プレイハウス・ダウン」って曲でコーラスとオクターブ使っているのを聴いてビックリして、すぐに買いに走ったよ。それからはもう、ずっとローランドを使ってる。VSシリーズとJVシリーズはいろいろ持ってるし。だから今回はとってもウレシイ!

今までお話の中で出てくるのはジャズでしたが、ロックからは影響は受けなかったんでしょうか?
H) どんなジャンルの音楽も全部好きだよ。最初に買ったレコードはビートルズだった。ただ、スティービー・ワンダーを聴いてから、段々ブラック・ミュージックのほうにいっちゃって、シックとか、サックスも好きだったからグローバー・ワシントン・Jr.を聴いて、ラリー・カールトンのアルバムを聴いて…。兄貴はピンクフロイドやレッド・ツェッペリンとかAC/DCを聴いていたから、僕も聴かせてもらった。

今日のステージでもジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」を弾いていらっしゃいましたよね。
H) 親父がビル・エバンスのオーケストラで演奏した時のアルバムを聴いてカッコイイなって思ったら、そこにジミヘンの名前があって、少しずつ聴くようになった。僕がちょうどデビューする頃に、TOP40っていう黒人音楽のバンドに入って、そこでよくジミヘンの曲をやっていたので、そこからハマっちゃった。

子供の頃から音楽や楽器に接する機会が多い環境で、ご自身も音楽に興味を持つのは自然なことだったんでしょうか?
H) そうかもしれないけど、子供の頃は親父の音楽は難しすぎて分からなかった。家にはピアノやドラムが置いてあって、無理やりトランペットを持たされたから、最初は基礎練習ばっかりでつまんなかったけど、ちょっとだけアドリブのフレーズが吹けるようになるとすぐ楽しくなった。でも親父には「お前はイモだからピアノもトランペットもダメだな」って言われてた。でも、ベースを弾いたら「ベースはイイじゃないか!」って(笑)。それでベースに転向したんです。

そういう経緯でベースを始められたんですか。
H) 同じ楽器じゃなくて良かったんだよね。上手けりゃ当たり前って言われるし、下手だと親父の顔汚しって言われるし(笑)。そんなの気にしないけどね。

ベースはすぐに上達したんですか?
H) どうだろう? でもメロディの基本はトランペットと同じだし、クラシックも勉強していたからね。ジャコはハーモニーとメロディを勉強するならチェロがいいよってチェロの本をくれた。でも最初はみんなからグルーブしてない、ファンキーじゃない、ダメダメって言われてた。仲間からファンキーだねって言われるようになった時はほんと嬉しかった。でもファンキーだけだとサポートしかできないでしょう。トランペットをやってたからメロディも大事にできるのかな。そこはやっててよかったよね。

今日は4弦ベースを使われていましたが、5弦ベースも使われるんですか?
H) アルバムには4、5、6弦とフレットレスが入っています。今はそれら全部にV-Bassのピックアップを付けてます。

曲によってベースを使い分けるんですよね?
H) そう。5弦は下の音が使えるからR&Bやソウルをやる時で、6弦は上にも下にも行けるからもっと音の広がりが欲しい時。でもベースのヒストリーは4弦から始まってるから、4弦が一番いい音するんだよね。




   
Copyright(c) 2000-2004 Roland Corporation All rights reserved