ギターアンプや小物など、とても面白い楽器を使っていますね。特にドラムは、胴が湾曲して正面を向いている変わった形ですが、あれは何というドラムなんですか?
N) あれはノースドラムですね。
なぜそれを使おうと思ったんですか?
N) 僕が持っているドラムって、ほとんどが古いものなんですけど、古いドラムセットってシンプルですが、70年代のドラムの中であれだけが変な形。衣装がちょっと奇抜なものになるって聞いていたんで、スタンダードなものより合うんじゃないかと思って持って来ました。

今回ベースアンプはローランドのDB-900をお使いですが、このアンプを選んだ理由は?
Y 最初はあのアンプが発売される時にローランドまで行って試奏して、いいなと思ったんですよね。機会があったら使いたいと思っていたんですよ。前にも一度使ったんですが、今回もまた使わせてもらいました。

いいなと思った部分はどのようなところですか?
Y) 音。真空管アンプの音がシミュレートされていて、その感じが違和感がなくて凄く好みなんです。本物みたいに音圧をかけなくてもそういう音になるのもいいですね。モニターする時も小さい音で設定すると、気持ちよくないじゃないですか? でも周りのことも考えなきゃいけないし。そこがうまくできていて、それほど音圧を上げなくてもちゃんと欲しいところが聴こえる。どういう作りなのかな?
ローランドスタッフ(以下R):FFP(*注)という技術ですね。
Y) 横にもでかいスピーカーがついてますよね。そこからも音が出ているような。
R DB-900は25cmのスピーカー4本+高能率ホーン・ツィーターに加え、さらに30cmのパッシブ・ラジエーターを2本搭載しています。これらスピーカー・システム・トータルの動作をFFPによりコントロールすることで、サブ・ウーハーを使用することなく、ベース・サウンドの再生に必要な超低音域までをカバーしているんです。
Y) あのスピーカー部分にマイクを立てているわけじゃないけど、あれがあるのとないのでは違うと思います。本当に気持ちいい音なので選んだという感じです。
DB-900

客席から観て、エフェクトは見えなかったんですが、ギタリストのお2人は何かエフェクターを使われているんですか?
T) いっぱい使っていますよ。
BOSSのエフェクターもその中に入っていますか?
T) 80年代のビンテージなんですけど、BOSSのロッカーワウが入っています。これを今使っている人はほとんどいないですね。僕はストック用に3個持っていますけど(笑)。他に、今回のトリビュート盤のレコーディングではローランドのVG-88を使っていますよ。どんな状況でも音が常に安定していて、ストレスもまったくなく弾けるので、このV-Guitar Systemはとても気に入っています。梵鉾ではレコーディングもステージもVG-88一台で演奏しています。
K) 僕の場合、BOSSのTU-2 を2台。エレキギター用、アコースティックギター用それぞれで使っています。
Y) エミちゃんがA-90と一緒に使っている音源も古いよね。U-110?
E) そう、2台も持っています、おまけにカードも7枚(笑)。凄く好きなんです。最高! U-110には結構マニアがいるんですよ。
T) 今、カードはオークションとかでイイ値段ついてるんだよね。
E) そうそう、U-110はマニアがいるの! 時々「U-110は取っといたほうがいいですよ!」って言われる。

どういうところがお好きなんですか?
E) 音色の弱さです(笑)。いや、私の使い方がまた変なんですけど強けりゃいいってもんじゃないですよ! 2曲目の「オリジン・オブ・ラブ」でギターのサンプリングをギターっぽくないサウンドにして使っています。私はこれまでも舞台の音楽を作ることが多くて、自宅で打ち込みをするんですが、ローランドのMC-500と一緒にずっと使っています。
A-90を選ばれた理由は?
E) 音色もいいんですけど、実は使い勝手が一番の決め手なんです。まず曲名を入れて音色を並べられるじゃないですか。これはとても便利です。それからなんといってもパニックボタン! 今回は私、最初はミュージシャンとして参加したんですけど、イツァークという役に要求されることが非常に役者的なので、音楽をやってる感覚じゃなくなってきているんです。芝居をしながらだと、もう頭がブッ飛んじゃってて……。演奏中にキーボードの音色を選ぶのは凄く難しいんですよね。だからパニックボタンっていうのをもう何回も使ってる(笑)。こういう場面では凄く助かるんですよね。こういう仕事、これからもあると思うんで、そういうミュージシャンにオススメです(笑)。

プリプロなどの家での作業もあったと思いますが、そこで使用されたローランド機材はありますか。
Y) VS-880かなぁ。でも録音まではしなかったので、ギターを弾きながらヘッドホンで音を聴く時に通して確認作業をする程度ですね。


皆さん同じように新しい経験をしていると感じますか?
Y) 僕はほぼ毎日っていうスケジュールが初めての経験なんですね。僕の場合、役のことはあまり考えていませんが、漠然と最後までモチベーション保つにはどうしたらいいだろうと考えていますね。途中でダレちゃうのは絶対イヤだし、ありがちな予定調和はやりたくない。それはみんなもちゃんと、自分の中でコントロールしてくれればいいなと思います。
K) いわゆる劇バンは初めてではないんですが、今回はバンドメンバーとして演奏者を演じるというので気持ちが違います。僕だけ世代がちょっと下で、グラマラスなロックから直接影響は受けてないけど、グラマラスなロックスターを演じるのは面白いです。
T) ライブは何本も続いてどんなに疲れていても、オーディエンスが1曲目から盛り上がってくれれば元気をもらえるんですが、舞台のお客さんは構えて観に来ていることが多くて、そこでお客さんが固まっている時に、どうやってこっちに引き寄せるかが大切になりますね。
N) スケジュールをもらった時は大変だなぁって思いましたけど、今はどんどん楽しくなってきちゃって。劇バンはやったことがありますけど、芝居と演奏の絡みなんてやったことがないんで勉強になりますよ。

最後に読者に今回の舞台の魅力や、観て欲しいところをお聞かせください。
Y) 大抵の方は映画を観たり、観ていない方でもイメージを持ってやって来ると思うんですけど、映画とは全然違うもっとライブなものですし、「ゲイの話」っていう単純なものではないと思います。もっと大きい意味での「解放」とか、そういう何かを感じて欲しいですね。それに音の作りや曲順が凄くよくて、ロックのカタルシスも用意されているので、きっと満足してもらえると思います。
K) ロック・コンサートのようでミュージカルじゃないですか? ミュージカルと呼ぶにも、かなり新しい感覚の舞台ですが。芝居では言葉の世界観が重要で、三上さんたちがずっと苦労して言葉を伝える日本語の訳詞とかの作業をしているので、そこをきちんと聴いてもらえればいいなと思います。ロックだから日本語をのせるのが難しいんですけど、今回は凄く良くできていると思います。
T) お芝居を観たことがない人もコンサート感覚で観られるので、いろいろなミュージカルを観るキッカケになる作品だと思います。音響にもこだわって、普通の芝居では考えられない音量が出ています。前の人とか「音圧で風が来る」って言っていましたね。
N) 僕、実はミュージカルは好きじゃないんですよ(笑)。でもこれは自分がやってなくてもロック・コンサートみたいで観に来ちゃうかなと思っています。
E) この舞台のテーマの1つは解放なんです。私が普段デミセミでやっていることも1つの解放で、ただ表現方法が違うだけなんですよ。私はイツァークって人、好きじゃないんですけど、このテーマの核になる、お客さんと一緒の目線で物語を引っ張っている主人公に近い役だと思っていて、だから、イツァークになることを経験して、解放に対する自分の解釈がまた一段上がった気がするんです。この作品を観て解放されて帰る人ばかりじゃないと思いますよ。突き放された感じに思う人もいれば、釈然としない気持ちで帰る人もいると思うけど、自分でしっかり考えて欲しい。その鍵となる“私にとっての主役”を、誇りを持って務めさせていただきます(笑)。
   


観ていてワクワクしたり、切なくなったり、感情の振り幅がとても広いミュージカル。公演中のパルコ劇場では、ここまで大がかりなスピーカーや照明のセッティングしたのは初めてだそうですが、その結果とても迫力のある舞台になっていると思います。パルコ劇場での公演は残念ながらソールド・アウトですが、追加公演が決定しました。ぜひ劇場に足を運んでいただいて、怒濤の演奏とストーリーを体験してください。


Information
CD
ALBUM
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ トリビュート』
¥2,548(税込)
cutting edge CTCR-14349
STAGE
追加公演 『新宿ナイツ』
会場:東京厚生年金会館
日時:6月23日(水曜日) 、24日(木曜日)
開場18:30/開演19:00
問:東京音協 03-3201-8116



   
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