次に、TIME 調整をしてみましょう。これが、とにかく凄いことなんですが、ピッチを変えることなくフレーズを変えることができるのです。方法は「TIME」ボタンを押して、変化させたい部分をダブルクリックして範囲を決めます。緑色になっている部分でTIME調整が可能です。
▲編集前
▲編集後
分かりやすくするために16分音符を多くしましたが、効果はわかりますよね? このTIME調整は休符のあるところならできてしまうのです。
先ほども出てきましたが、フォルマント調整で声質を変えることができるので、ロボットのような機械的な声から、太い声まで作れてしまいます。今まではピッチシフターなどで、声質を変えることはありましたが、V-Vocalなら、より細かい設定ができ、このフォルマントを使いこなせば、ボコーダー的な使い方までできてしまうのです。このサウンドはフォルマントを+21にして高い声質にしています。
このトラックをL100%にして、元のボーカルをR100%にしてみます。すると、ボーカルレコーディングで行うダブルに似た効果が生まれます。レコーディングでボーカルダブルを作るときには、数msec後にずらす場合や、エフェクトでプリディレイを調整することが王道です。しかし、V-Vocalのフォルマントを使えば、微妙なタイムラグは無く、実にクリアでハリのあるボーカル・トラックが作れるのです。
ダイナミクスを調整できるのも、V-Vocalの利点です。歌い出しを大きくしたり、リップノイズなど録音後に気づいたノイズをダイナミクスで取り除くことができます。
ここでは、2小節目の歌い出しを大きくして、4小節目の3拍目以降の音量も調整しています。では、これらを左右にパンニングするようにエンベロープで書いて、別のボーカル・トラックをセンターにしてみました。先ほどとは、また違う印象に感じると思います。このように、やり方次第ではボーカル・トラックを自在にエディット可能なわけです。
ボーカル修正エフェクトといえばAuto-Tuneが有名でした。もちろん私自身、Auto-TuneもプラグインとしてSONARで使っていました。経験者なら分かると思うのですが、Auto-Tuneは操作が難しいんです。プロのレコーディング現場でもエンジニア・レベルの操作スキルが必要なエフェクトでした。でも、V-Vocalは見た目が分かりやすいし、エディットも簡単。専門的なことが分からなくても使いこなせると思います。軽く言っているように聞こえるかもしれませんが、“見た目が分かりやすい”ということは、音楽制作においてとても重要です。作業スピードにもかかわってくるものですから。
いやぁ〜、ほんとすごい機能がSONARには統合されたものです。今後Rolandの技術がどこまで継承されていくのかという意味では、SONARは将来性も明るいでしょうね。と、今月はここまで。来月もV-Vocalの使用例とボーカル・トラックに関して深く説明していきたいと思います。ということで、次号予告!「レコーディング工程に沿ってのオケ作り Part3 〜ボーカル・トラック編〜」です。お楽しみに〜。
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